7日は9時頃起床。前日に香港のメイン観光スポットは見終わったので、何をしようかと考えあぐねてしまった。都市観光の場合、自然・景勝観光と違って同じ場所を何度も見てもあまり新たな感動を得られるとは思わない。
何はともあれ食事をしようと思ったので、前日楽しんだ飲茶を再びトライすることにした。ガイドブックに紹介されていたホテルから程近い灣仔の「龍門大酒樓」。楽しみにして足を踏み入れたものの、残念ながらこの店は前日の「倫敦大酒樓」と比べるとかなりレベルが低かった。客の入りはそこそこだったけれど、点心を注文している人が少なかったからか、大半が作り置きのような感じ。点心はフーフーと冷ましながら食べたいもの。加えて不快感を募らせたのが、少しぼられてしまったのだろうか、食べた数は前日より少なかったにも関わらず、値段は3倍取られた。面倒だったのでクレームしなかったけれど、やっぱり海外旅行ではいつ何時でも油断大敵だ。
食後ようやく決めた目的地は、錦田。この地には、周りを四角くレンガで囲まれた客家の城壁村が多数あり、今でも一部壁が残っているとのこと。香港中心部からは電車を2本乗り継いで40分、香港の観光地としてはそこそこ遠い部類に入る。ビル群にずっと囲まれていたので気分転換にも立派な歴史的建造物を期待したのだけれど、時間をかけてまで見るべきものではなかった。単純に石造りの壁と家があって、特段何の変哲もない。規模も小さく、ものの20分程度で見終わってしまった。
ただ、錦田に向かう途中の車窓からの風景はなかなか興味深かった。「トンネルを抜けるとそこは林野だった」という感で、ビル群の中で乗車したはずなのに、地下鉄が地上に出ると完全に周囲の風景が変わっていた。ビルはおろか、人家や田畑もほとんど見られない。街の中心部からものの10分程度しか離れていないのに、不思議。
錦田を後にして向かったのは昼食のためのフードコート、尖沙咀にある「クックド・デリ・バイ・シティスーパー」。日本食店舗も複数店舗あり、なかなか盛況。僕が注文したチャーハンも、値段の割には美味しかった。海外でのフードコートの利用価値はかなり高いと再認識。安いのに不味くない。
食後はお土産を買いに佐敦にあるローカル百貨店「裕華国産百貨」に足を向けた。ローカル百貨店はまるで日本の田舎の古びた百貨店のようだ。トレンディーさのかけらもない。なかなか目ぼしいものがなかったので、中国茶に決定。それにしても思い返すと、アジアの大半の国のお土産としてお茶が成り立っているような気がする。僕自身、台湾、マレーシア、インドネシア、ネパールと少なくとも3、4回はお茶のお土産を日本に持ち帰っていると思う。
買い物を一通り済ませると、一服するために「義順牛奶公司」へ。この店は牛乳プリンが評判だとガイドブックにコメントされていたので、食べてみる。確かに今まであまり口にしたことがない旨みの凝縮された味で、練乳味にも若干近かった。甘いものは普段あまり食べないけれど、これだけピュアな味だとお世辞抜きに美味しいと思った。日本でも絶対に売れると思う。
観光はこれで終えてホテルに戻り、夕食はアイセック香港のメンバーと共にした。かなり豪華な広東料理のレストランでご馳走になり大満足。中でもチャーシュー、北京ダックは絶品だった。レストランの後で連れて行ってもらった中環のパブも雰囲気が良かったし、彼女たちが日本に来た時にはしっかりとお返しをしないといけない。
翌日は朝早くの便で帰国。昼過ぎに成田に着いた。
香港には観光客が多数訪れるようだけれど、それ程観光スポットは多くない。やはり特筆すべきはグルメで、ある程度払えば絶対に美味しいものを口にすることができる。香港を訪れる人が皆舌鼓を打って帰ることは間違いないと思う。観るべき場所がないので今後あえて単純に観光目的で訪れることはないだろうけれど、仕事やトランジットでまた訪問することを楽しみにしたい。
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